INDUSTRIAL DISPOSAL

マメ知識

UPDATE :2025.09.18 
POST :2025.09.18

マニフェストの種類について

【マニフェスト制度とは?】

~産業廃棄物の流れを「見える化」するしくみ~

産業活動を行ううえで避けられないのが「廃棄物」の発生です。特に工場や建設現場などで出る「産業廃棄物」は、種類も量も多く、環境への影響も大きくなりがちです。

そのため、国は産業廃棄物の処理を適正に行うための法律や制度を整えています。

その中でも、特に重要な制度のひとつが「マニフェスト制度(産業廃棄物管理票制度)」です。

この制度では、廃棄物が「どこから出て、誰が運び、どこで処分されたのか」を記録した伝票(マニフェスト)を使い、その流れをしっかりと把握・管理することを義務づけています。

つまり、廃棄物がきちんと処理されているかを「見える化」することで、不法投棄や不適正処理を防ぎ、環境を守るしくみです。

マニフェストにはいくつかの種類があり、運搬や処分の方法によって使い分けが必要です。

このページでは、その中でも重要な「積替え保管」「直送」「建設系廃棄物(建廃)」「電子マニフェスト」の4つについて、わかりやすくご紹介いたします。

積替え保管マニフェストとは?

● 積替え保管とは?

廃棄物を処理場に運ぶ際、収集運搬業者が途中で一度、廃棄物を別の場所におろして一時的に保管し、その後また別の車両などで運ぶケースがあります。これを「積替え保管」と呼びます。

たとえば、ある現場から出た廃棄物をいったん自社の積替え施設に集め、そこからまとめて大型車両で最終処分場へ運ぶ、というようなイメージです。

● どうして積替え保管が必要?

  • 現場が遠くて一度では運べない

  • 車両を効率的に使いたい

  • 複数の現場からの廃棄物をまとめたい

こういった理由から、積替え保管は実務上よく使われる方法です。

● 必要な許可とマニフェストの記載

ただし、積替え保管を行うには、通常の運搬許可に加え、「積替え保管の許可」が必要です。この許可を受けた施設でなければ、積替え保管はできません。

マニフェストには、「積替え保管を行うこと」「その場所の住所」「業者名」などを明確に記載する必要があります。

間違った記載や、許可のない場所での積替え保管は「法律違反」となり、排出事業者にも責任が及ぶ可能性があるため注意が必要です。

直送マニフェストとは?

● 直送とは?

「直送」は、その名の通り、廃棄物を排出した現場から、処分場まで「直接運ぶ」方法です。途中で中間処理場や積替え保管施設などを経由せず、運搬業者が一気に運ぶケースを指します。

場合によっては、排出事業者自身が直接運ぶこともあり、その場合でもマニフェストの交付は必要です。

● メリットと特徴

  • 運搬経路がシンプルで分かりやすい

  • 廃棄物の取り扱い回数が少ないので安全性が高い

  • 中間コストを抑えられる場合もある

とくに廃棄物の量が少ない場合や、処分場が近い場合には、直送が有効です。

● マニフェストの記載の注意点

直送でも、運搬業者や処分業者の情報、廃棄物の種類、数量などをきちんと記載することが必要です。
処分場までの運搬ルートが1本であるからといって、記載が省略できるわけではありません。

処理業者の許可番号や施設名を間違えないよう、正確に記入しましょう。

建設系廃棄物(建廃)のマニフェストについて

● 建設廃棄物(建廃)とは?

建設工事や解体工事の現場で発生する産業廃棄物のことを「建設系廃棄物」、略して「建廃」といいます。具体的には、以下のような廃棄物が該当します。

  • コンクリートがら

  • アスファルトくず

  • 木くず(型枠や足場など)

  • がれき類

  • ガラスや陶磁器くず など

建設現場ではこれらが大量に、しかも種類ごとに異なる処分方法で発生するため、マニフェストの管理も複雑になりがちです。

● 建廃マニフェストの特徴

建設現場では、元請業者が排出事業者としてマニフェストを交付することが基本です。実際に作業をしているのが下請け業者であっても、最終的な責任は元請にあります。

現場ごとに管理番号を付けてマニフェストを発行し、廃棄物の種類・数量・搬出日などをしっかり記録しておく必要があります。

● 管理で気をつけたいポイント

  • 現場が複数ある場合、マニフェストの使い分けが必要です

  • 元請と下請の間で情報共有をしっかり行うことが大切です

  • 廃棄物の種類によって処分先が異なる場合、それぞれにマニフェストを分ける必要があります

建設業界では、短期間で大量の廃棄物が発生することが多いため、マニフェストの管理体制がきちんと整っていることが求められます。

電子マニフェストとは?

● 紙からデジタルへ

従来のマニフェストは「紙」でやり取りするものでしたが、手間や紛失リスク、保管スペースの問題などが課題でした。

それを解消するために導入されたのが「電子マニフェスト制度」です。

環境省が推進し、現在では**JWNET(日本産業廃棄物処理振興センター)**という専用システムを通じて、マニフェスト情報をインターネット上でやり取りできるようになっています。

● 電子マニフェストのメリット

  • 紙の保管が不要 → オフィスがすっきり

  • 処理状況をリアルタイムで確認可能

  • データで管理するので検索や集計がしやすい

  • 行政報告もスムーズに対応できる

  • 処理完了の確認漏れや不適正処理の防止につながる

導入にはJWNETへの登録や、使用料が必要ですが、業務の効率化・法令遵守・管理レベルの向上につながるため、多くの企業が電子マニフェストへの切り替えを進めています。

当社でも電子マニフェストの利用を推奨しており、導入支援も行っております。

【まとめ】マニフェストの使い分けと正しい管理を

産業廃棄物の処理は、「ただ捨てればよい」ものではなく、法律に基づいた適正な運用が求められています。その中核を担うのが「マニフェスト制度」です。

種類 特徴 主な使用場面
積替え保管 中継地点で一時保管する運用 遠距離輸送・複数現場の集約
直送 現場から直接処分場へ運ぶ 小規模工事や短距離
建廃 建設現場特有の廃棄物管理 元請事業者の責任が重い
電子 IT化されたマニフェスト運用 ペーパーレス・効率化

マニフェストの種類や特徴を正しく理解することで、法令遵守はもちろん、環境保全への取り組みにもつながります。

 

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この記事を書いたスタッフ