建設現場での解体工事やリフォーム工事では、FRP製の浴槽や波板、タンクなどが廃材として発生することがあります。
軽くて丈夫な素材として普及していますが、いざ処分するとなると「どこで受け入れてくれるのか」「混載しても大丈夫か」といった声を多く耳にします。
FRPは産業廃棄物として適正に処理する必要があり、処分方法を誤ると法令違反につながるおそれもあります。
この記事では、建設現場で出るFRP製の製品から、処分の流れ、持ち込み処理のメリットまでをわかりやすく解説します。
スムーズかつ合法的に処分したい建設業者様は、ぜひ参考にしてください。
目次
1.FRPってなに?建設現場でよく使われる理由とは
FRPとは「繊維強化プラスチック(Fiber Reinforced Plastic)」の略で、ガラス繊維や炭素繊維などの強化材を樹脂に混ぜて成形した、非常に丈夫で軽量な素材です。
鉄やアルミと比べて圧倒的に軽く、しかもサビや腐食にも強いという特長があり、建設現場をはじめ、船舶、自動車、公共設備など幅広い分野で使用されています。
建設現場では、以下のような製品に使われるケースが一般的です。
FRP製の浴槽や洗い場ユニット
屋根材や波板(とくに簡易な屋根や外装パネル)
浄化槽や貯水槽、グリーストラップの外殻部分
グレーチング、ダクトカバー、煙突カバーなど
ベンチや手すりなどの屋外設備部材
これらは、見た目こそ一般的なプラスチックや金属に似ていても、中身は繊維入りの特殊な複合素材であり、切断や破砕が難しいことから「処分しにくい廃材」として扱われることが多いのが実情です。
また、FRPはその性質上、通常の焼却処理にも向かない素材です。高温で燃やすと有害ガスが発生するリスクがあるためです。
そのため、FRPの廃材は「どう処理すればいいか分からない」「引き取ってくれる業者が限られている」といった声が現場からよく上がります。
次の章では、実際の現場でFRP廃材がどのような形で発生するのか、具体的なケースを紹介していきます。
2.現場で出る廃材の種類とは?
FRP(繊維強化プラスチック)の廃材は、建設現場のさまざまな場面で発生します。とくに解体工事やリフォーム工事、設備更新の際に目立ちますが、どの工程でどのようなFRPが出るかを把握しておくことで、現場での処分対応がスムーズになります。
たとえば、住宅リフォームでは浴室の解体時にFRP製の浴槽や洗い場ユニットが出てきます。軽くて割れにくく、設置しやすいため広く使われていますが、処分時にはかさばりやすく、切断もしにくいため注意が必要です。
屋根・外壁の改修工事では、古いFRP波板や外装パネルが大量に発生します。とくに工場や倉庫では、FRP製の屋根材が一面に使われているケースが多く、撤去作業後には何十枚ものFRP廃材が出てきます。
加えて、意外と多いのが屋外設備の更新工事で発生するFRP製品です。たとえば、公園や学校、競技場などでよく見かけるFRP製の椅子やベンチは、雨風に強く腐食しにくいため長年設置されてきました。ですが、経年劣化や再整備の際には、これらも大型の廃材として現場から発生します。
さらに、以下のような場面でもFRP廃材が出ることがあります:
浄化槽やグリーストラップの更新時の外殻部分
設備解体工事でのFRP製煙突・ダクト・タンク
公共施設の改修工事での屋外ベンチや観覧席の撤去
このように、FRPは建築資材として非常に広い用途がある分、廃材の形状や量も現場によって大きく異なります。
次の章では、こうしたFRPがなぜ簡単に処分できないのか、専門的な処理が求められる理由について解説します。
3.処分には専門業者への依頼が必要!その理由とは
FRP(繊維強化プラスチック)の廃材は、軽くて頑丈な反面、一般の処理ルートでは対応が難しく、産業廃棄物処理業者による適正な対応が必要です。その理由は、「法律上の決まり」「素材の特性」「効率的な処理体制」の3つに整理できます。
まず、FRPは産業廃棄物の廃プラスチック類として定められた品目であり、建設工事などを含む事業活動で発生した場合には、処分方法が法律で定められています(廃掃法 第3条)。産業廃棄物は排出事業者の責任で処理することが義務づけられており、無許可の業者への委託や不適切な処理は、排出元である建設業者様にも責任が及ぶ可能性があります。
また、FRPはガラス繊維などを含む特殊な複合素材であるため、通常の可燃ごみのように簡単に焼却できるものではありません。高温処理が必要であるうえ、焼却時に有害ガスを発生する恐れがあるため、専用の設備や処分ルートを持つ産業廃棄物処理業者による対応が基本となります。
さらに、FRPは軽量でありながらサイズが大きくかさばることが多く、運搬効率が下がりがちです。そのため、処分費用を無駄に増やさないためにも、FRPの取り扱いに慣れた処理業者に依頼することが安心です。破砕や保管、中間処理の体制が整っている業者であれば、費用面での負担も軽減できます。
処理の依頼方法としては、大きく分けて2通りあります。
1つは産業廃棄物処理業者に回収に来てもらう方法、もう1つは建設業者様自身がFRPを持ち込む方法です。
もし自社でトラックをお持ちであれば、持ち込み処分の方が柔軟でコストも抑えられることが多く、現場のスケジュールに合わせて即日対応できる点も大きなメリットです。
次の章では、この「持ち込み処分」の具体的な流れと、実際のメリットについて詳しくご紹介していきます。
4.持ち込み処分の流れとメリット
FRP廃材を処分する方法として、「産業廃棄物処理業者に引き取りに来てもらう」以外に、建設業者様自身が廃材を処理業者の工場に直接持ち込むという方法があります。トラックを所有している事業者様にとっては、スケジュールの自由度が高く、コストを抑えられる便利な選択肢です。
ここでは、FRP廃材を処理工場に持ち込む場合の流れと、そのメリットをご紹介します。
◆ 一般的な持ち込みの基本的な流れ
事前連絡
持ち込み前には、受け入れ可能な廃材の種類・量・状態を確認するため、事前に処理業者へご連絡ください。混載の可否やサイズの制限などもこの時に確認します。
現地搬入・受付
指定された日時に工場へ搬入していただきます。受付で簡単な確認を行い、計量(トラックごと)を実施します。
荷下ろし・処理内容の確認
構内で指示に従って荷下ろしを行います。内容物の状態によって、処分費用が変動する場合もあります。
計量・伝票発行(マニフェスト対応可)
荷下ろし後に再計量を行い、廃棄物の正味重量を算出。必要に応じて産業廃棄物管理票(マニフェスト)も発行可能です。
◆ 持ち込み処分のメリット
即日対応が可能
自社のスケジュールに合わせて搬入できるため、回収のタイミングを待つ必要がありません。
回収費用を抑えられる
運搬費や人件費を抑えられるため、コスト面でメリットがあります。とくに距離が近い現場の場合は経済的です。
混載の相談もしやすい
現場でまとめて出た複数種類の廃材(例:FRPと金属くずなど)の同時持ち込みにも対応できる場合があります。
現場の保管スペースを圧迫しない
即日搬出できるため、限られた敷地を効率的に使えます。
このように、持ち込み処分はコスト面・作業効率の両面でメリットが多く、自社で運べる建設業者様にとっては非常に合理的な選択肢です。
次の章では、持ち込み処分を検討されている方へ向けて、対応可能なFRP製品の種類や注意点をまとめてご案内します。
5. 対応できるFRP製品と処理時の注意点
FRP(繊維強化プラスチック)とひと口にいっても、実際の廃材にはさまざまな形状や構造があります。処理業者に持ち込む際は、どのようなFRP製品が受け入れ可能かを事前に把握し、適切に準備することがスムーズな処分につながります。
以下は、弊社の工場へ実際に多く持ち込まれているFRP廃材の一例です。
◆ よくあるFRP廃材の例
住宅設備関連
浴槽、洗い場ユニットなど
屋根・外壁建材
波板、外装パネル、簡易屋根など
設備関連
貯水タンク、浄化槽、グリーストラップの外殻、煙突カバー、ダクト
屋外施設関連
公園や競技場のFRP製椅子・ベンチ、手すり、床材
工場設備
排気フード、FRP製のフレーム部品、フードカバーなど
これらの製品は基本的には受け入れ可能ですが、状態や混在状況によっては事前確認や追加処理が必要なケースもあります。
◆ 持ち込み前に確認したい注意点
付着物・異物は極力取り除く
コンクリートやタイル、木材、発泡材などがFRPに付着している場合、分別の手間がかかるため追加料金が発生することがあります。可能な範囲で取り除いておくと処分がスムーズです。
金属との複合品は要相談
ステンレスのフレームや鉄製のパーツが一体化しているものは、破砕や分離処理が必要になるため、持ち込み前に確認が必要です。
サイズ・重量の確認
極端に大型のもの(例:大型タンク、複数人用浴槽など)は、搬入時に荷下ろしが困難な場合があります。事前に寸法・重量の目安を共有いただくと安心です。
混載物は事前に相談を
FRPと一緒に他の廃材(金属くず、木くずなど)を混載して持ち込みたい場合は、種類と量によって受け入れ可否、処理料金が変わります。
FRPは一見似たような素材でも、加工の違いや使用状況によって処理方法が変わることがあります。
処理業者との事前のやりとりをしっかり行うことで、無駄な手戻りや追加コストを避け、効率よく処分が進められます。
6.FRP処分に迷ったら、ジェイ・ポートにご相談ください
FRPは建設現場で広く使われている便利な素材ですが、いざ廃材として処分するとなると、通常の可燃ごみや解体くずとは異なり、産業廃棄物としての適切な対応が求められます。
この記事では、FRPがどのような製品に使われているか、なぜ産業廃棄物処理業者による対応が必要なのか、そして持ち込み処分の流れやメリットについてご紹介してきました。
特にトラックを保有されている建設業者様にとっては、回収を待たずに自分のタイミングで搬入できる「持ち込み処分」が、コスト・時間の両面で有効な選択肢となります。
FRPは製品によって状態が異なるため、「これは持ち込める?」「混載は可能?」「どれくらいのサイズまでOK?」など、ご不明な点が出てくることもあるかと思います。
そんなときは、ぜひ一度ジェイ・ポートまでお気軽にご相談ください。
当社では、FRP製品の処理実績が豊富にあり、浴槽や波板、タンク、椅子など様々な形状の廃材に対応しています。
事前連絡をいただければ、持ち込みの受付やマニフェスト発行にもスムーズに対応可能です。
廃材の処分でお困りの際は「こんなものも処分できる?」「明日持ち込みたいけど大丈夫?」といったご相談にも、柔軟に対応しております。
現場の負担を少しでも軽くできるよう、確実でわかりやすいサポートを心がけておりますので、ぜひご利用ください。
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