株式会社ジェイ・ポート(以下、弊社)では、この度「中小企業版SBT認定」を取得しました。これにより、弊社の地球温暖化対策への強いコミットメントと、持続可能な社会の実現に貢献していく姿勢を明確に出来たのではないかと思います。
弊社は産業廃棄物処理という事業を通じて、社会のインフラを支えつつ、環境負荷の低減に尽力してきました。今回の認定取得は、弊社の長年にわたる環境への配慮と、これからのさらなる挑戦を象徴するものと自負しております。
SBT認定とは?
SBT(Science Based Targets)認定とは、企業が設定する温室効果ガス排出量削減目標が、パリ協定が目指す「世界の平均気温上昇を産業革命前と比べて2℃を十分に下回る水準に抑え、1.5℃に抑える努力をする」という目標と整合しているかを、科学的根拠に基づいて評価・認定する国際的なイニシアチブです。
SBT認定は、CDP、国連グローバル・コンパクト、世界資源研究所(WRI)、世界自然保護基金(WWF)の4つの機関が共同で設立したSBTイニシアティブ(SBTi)によって運営されています。
企業がSBT認定を取得することは、単に環境に配慮しているだけでなく、以下のような多岐にわたるメリットを享受できるとされています。
◎企業イメージ・ブランド価値の向上: 環境意識の高い消費者や投資家からの評価が高まり、企業のブランドイメージが向上します。
◎競争優位性の確立: サプライチェーン全体での排出量削減が求められる中、SBT認定企業は取引先からの信頼を得やすくなります。
◎事業リスクの低減: 気候変動に関連する規制強化や資源価格の変動リスクを低減できます。
◎イノベーションの促進: 排出量削減に向けた技術開発やビジネスモデルの変革を促し、新たな事業機会を創出します。
◎資金調達の優位性: ESG投資の拡大により、SBT認定企業はサステナブルファイナンスの対象となりやすくなります。
SBT認定は、現代の企業経営において、もはやCSR(企業の社会的責任)の一環ではなく、企業価値向上と持続的な成長のための不可欠な戦略として位置づけられています。
中小企業版SBT認定とは?
SBT認定が国際的な大企業を中心に広がっていく中で、中小企業からの「SBT認定を目指したいが、リソースや専門知識が不足している」「手続きが複雑でハードルが高い」といった声が多く聞かれるようになりました。こうした背景を受け、SBTiは2019年、中小企業向けの新たな認定パスウェイとして「中小企業版SBT認定」を導入しました。
中小企業版SBT認定は、従業員数500人未満の中小企業を対象とし、SBT認定の基本的な理念は維持しつつ、より簡素化されたプロセスと明確なガイダンスが提供されています。主な違いは以下の通りです。
目標設定の簡素化:
◎通常版SBT: スコープ1(自社での直接排出)、スコープ2(購入した電気・熱・蒸気の使用による間接排出)、スコープ3(サプライチェーン全体からのその他の間接排出)のそれぞれについて、詳細な排出量算定と削減目標の設定が必要です。特にスコープ3は、その算定範囲が広く、多くのデータを必要とするため、中小企業にとっては大きな負担となることがありました。
◎中小企業版SBT: スコープ1とスコープ2の排出量削減目標に焦点を当て、スコープ3については、排出量算定を必須とせず、推奨される目標設定(例えば、サプライヤーエンゲージメント目標)に留めることができます。これにより、中小企業の初期負担を大幅に軽減しています。ただし、今後スコープ3の排出量削減が重要になる可能性は十分にあるため、将来的にはスコープ3への対応も視野に入れることが望ましいとされています。
◎目標達成期限の固定化:
通常版SBT: 企業が自由に目標達成期限を設定できますが、通常は5年~15年程度です。
中小企業版SBT: 目標達成期限が「5年~10年後」と固定されており、中小企業は目標設定の際に期間を検討する手間が省けます。
オンライン提出プロセスの導入:
通常版SBT: 目標提出には、詳細な提出書類と審査プロセスが必要です。
中小企業版SBT: オンラインプラットフォームを通じて、より簡素化された目標設定ツールと提出プロセスが提供されており、専門知識がなくとも取り組みやすい設計になっています。
費用:
通常版SBT: 目標提出料が一定額発生します(企業の収益規模によって変動)。
中小企業版SBT: 通常版SBTよりも比較的低額な提出料が設定されています。
これらの違いにより、中小企業はより手軽に、しかし科学的根拠に基づいた気候変動対策に取り組むことが可能になりました。中小企業版SBT認定は、大企業だけでなく、サプライチェーンの基盤を支える多くの中小企業が気候変動対策に参画し、社会全体の脱炭素化を加速させるための重要なツールと言えます。
株式会社ジェイ・ポートの挑戦と未来
弊社は産業廃棄物の適正処理はもちろんのこと、リサイクル率の向上、排出量削減に向けた省エネルギー設備の導入、再生可能エネルギーの活用など、様々な取り組みを通じて、環境負荷の低減に努めてきました。今回のSBT認定取得は、これらの取り組みが科学的な視点からも認められたことを意味します。
弊社は今後、中小企業版SBT認定で設定された目標に基づき、具体的な温室効果ガス排出量削減計画を実行していくことになります。これは、事業活動全体におけるエネルギー使用効率の改善、燃料転換、廃棄物処理プロセスの最適化など、多岐にわたる領域での挑戦を伴うでしょう。
弊社の取り組みが、他の多くの中小企業にとっても大きな示唆を与えることを願ってます。気候変動問題は、もはや一部の大企業だけの課題ではなく、規模の大小に関わらず、全ての企業が取り組むべき喫緊の課題です。中小企業版SBT認定は、中小企業がこの大きな波に乗り遅れることなく、むしろビジネスチャンスとして捉え、持続的な成長を実現するための羅針盤となるはずです。
今回の認定取得はまた、大阪市鶴見区の地域社会にとっても誇るべきニュースであり、地域全体の環境意識の向上にも寄与することでしょう。多くの企業がSBT認定を通じて持続可能な社会の実現に貢献していくことを願ってやみません。
株式会社ジェイ・ポートでは、だれでもカンタンに産廃処分ができる産廃コンビニをご提供しております。
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