産業廃棄物処理業者は排出事業者様から処理証明書の発行を求められることがあります。産業廃棄物の処理の証明ならマニフェストがあればいいんじゃないの？と思うかもしれませんが、マニフェストとは別に廃棄証明が必要な局面もあるようです。見ていきましょう。

廃棄証明書とは

廃棄証明書とは、処理を委託した①産業廃棄物（固定資産）、②機密書類などが正しく廃棄されたことを証明する書類のことです。

①のケースは固定資産の償却に関係します。固定資産を廃棄する際には、適切な経理処理であることを証明するために廃棄の証拠を残すことが必要な為です。
②のケースはマイナンバー法により個人情報を含む機密文書の廃棄が義務化され、廃棄した場合は記録を取ることが必要な為です。

また廃棄証明書はマニフェストと違い、決まったフォーマットがある訳ではありません。
記載して欲しい項目を処理業者に伝え作成を依頼することも可能かと思います。

廃棄証明書とマニフェストとの違い

マニフェストを処理証明書として使用できるケースもありますが、マニフェストと処理証明書が大きく違う点が一つあります。
それが何か分かりますでしょうか？

それは発行（交付）する人の違いです。

マニフェストはあくまで排出事業者が交付し、産業廃棄物が適正に処理されたかを追える書類です。
対して処理証明書は処理業者が処理を行った後にそのことを証明する書類として発行するものとなります。

機密文書はもちろん紙ですが、
産業廃棄物「紙くず」は建設業で現場から出たもの、印刷や製本の作業工程で出たものが産業廃棄物となります。
機密書類が現場や製造過程で出ることはまずありえませんので産業廃棄物には該当しないでしょう。

廃棄証明書の保管方法と保管期間

廃棄証明書は、決算書類と考えると、5年間の保管が必要になります。紛失しないようにしっかりとした管理が必要です。

まとめ